朝山に行って、夜帰ってくる。1日でできる炭を言う。
こんばができるのは、青山になった時、木の芽が吹いて、草が黒くなるころなら、煙もでない。春先が一番危険。3月は火が出やすい。青山になると気楽なものだ。なぜって、どこでも焼くのだから、火には用心をする。だから、こんば夏から秋にやる。今年も青山になった。
こんばの炭は硬さが違う。鉄をとかしたりするのによい。ふいごで起こすと黄色の火になる。黄色の火は鍛冶に適している。赤い火では鉄がだめになってしまう。
こんば炭で刀鍛冶をしたら最高だと思う。
大名の鉄砲をくりぬくのに適している。この集落は大垣藩の御用炭焼きだった。御用炭は美束だけ。どうしてかって、こんばは花崗岩の土でしかできない。美束の山でしかできないから。
滋賀県に鍛冶屋の集落があるが、あそことも通じていた道がある。言葉も滋賀県に近い。
花崗岩の甘茶は甘くはないが。
ぜんまいをとる。 |
すり鉢のように穴を1・5メートルに掘って直径が10センチ、長さ50センチの木をくべる。
山の斜面にすり鉢の穴を掘る |
火は3メートルも燃えあがり、2メートまでになると真っ赤になった木に泥をかけてかきまぜる。すると、炭になる。3時間ばかり燃やしている。
夕方になると冷えたところを掘る。
それでも、背中に負ぶって家を帰る時、火がつくときがあった。
火の匂いがすると言って、川の水をかけて消した。火の匂いってすごい言葉だと思わないか。
熊の寝床。熊は賢い。抜け道がつくってある。 |
炭にするとチンとするトンネルコ
カズラフジの実は11月になり、キュウイの味がする。
大岩に二つの蜂の巣の後があった。岩の天井につくる。動物は賢い。
さっきも鳥が騒いでいた。巣があるんだ。
そういえば、ノイを見なくなった。チーとメスがなくのはノイと言った。最近聞かないが、あまりに寂しい声だった。子供のころ真似をすると、大人から叱られた。