滋賀県からアサムシのおかまを
安土 36キロのおかまを
「麻蒸しのおかまはうちの親父が滋賀県から買ってきたんです。長浜から。行って買って、背負ってきた。長浜にはなべとくっていう鋳物やがあったみたい。そこまで行って買ってきた。」
と話すのは新川定琴さんだ。
長浜から姉川を通って、七曲峠。峠を越えると吉槻って部落に出る。吉槻から登っていくと国見峠に出る。国見を超えると美束に出る。
「36キロのお釜を背負ってきたんです。」
大正か昭和初期。親父とおじいさんと親子で行った。はそりも買ってきた。いかにもえらかったということをしょっちょう話したもので、わし、ヘルスメーターで計ったら、36キロ」
「この人の親父は力持ちではあったでな。奥さんをこの人の隣からもらったけど、家財道具を背負って、ここまできてくれた。市場から米60キロ背負ってうちまで来た。」
と言うのはけいおさんだ。