栃餅づくり
栃をとってくる。
川に入れて水にさらすと泡が出る。袋のまま。
泡が出なくなるまで1週間。
長すぎても栃が減るので長すぎてもいけない。
栃をむくのが大変なんよ。
とちくじり、この辺はがじり。三代使っているもの。大変だけど、だんなさんもやってくれる。
計ったら5リットル。
灰を入れる前にも栃はあっためておく。
升に盛り上げて三升の栃の実。ひたひたに水を入れて、昔の人は栃一升に木の灰を一升。
「分量よりも一升分は灰を入れなければだめだ」ということをおじいらは言っていた。
今日は三升五合。
灰はすりきり。栃は盛り上げて測る。
ごとごと煮る。
湯が沸いたら混ぜて。混ぜないと灰ばかりが下に沈んでしまう。3時間ぐらい。
上の方がしょうゆみたいな色になると、とおってる(浸透している)。
浸透していると、灰汁をぬいて1週間(3、4日)。
すぐさますと、中が白い。それは浸透していないということ。全部が同じ色に。
通っていないときは、灰を足す。
灰は里芋の葉を乾かしたものを。おばあに教えてもらった。
今日は一升足す。
入れすぎてもいかん。
つく前に熱い湯に一晩。昔の人は水に二晩。
灰を入れてから餅をついたら、ビリーとして、入れ過ぎると良くないな。
昔は栃一升に三合のもち米しか入れなんだ。抹茶色の本当の栃餅。一升五号の餅米に二キロの栃だが、本当に赤いのは、栃一升にもち三合しかいれん。
お宮さんのところの小学校からこんな雪んなか帰ってくると親が栃持ち焼いてくれた。夕飯の前に味噌つけて食べた。