山もちにおさめる 美束
安土の正面谷で焼いておったでな。学校から帰るとね。弟や妹を負いにいった。親は炭を負んでこなならんやろ。私らは、子どもを迎えに行った。
山、持ってる人もあるけど、そうない。山もちの人から買ってな。春、炭を焼くやろ、大体、初めに売った炭は山主におさめなならん。今度、炭焼くまでお金ないで大変やった。お金ないでな。春、窯うって、焼いてというとお盆になった。その間、何にもお金なし。どうして親が食べさせてくれたのか。炭を売るところの人にお金を借りて、前借して、生活していた。だから、お盆ごろに炭が出来ても何にももらえん。安土は二軒、山もちがいた。市瀬はおてんのうの近くで焼いたし、丸山の置くの赤崩れにも焼きにいった。正面谷で焼いたときは、家に持ってきた。安土の人は、集会所に小屋たてて。