俵編 新川 さん
俵を編むのは細い縄で。縄編みの機械へ入れて、細い縄を編んでおく。それを水につけて、それから今度は、石積みに木でくいをうってかけて干す。
干した縄を、釘をまず1本、つぎに日本うち、こんころこんころ、ほどいた縄を巻くの。巻いてそのあいさへ包丁を入れて切る。
5本(4本)をひとからげにして、今度はつつらこの穴に通してくくる。こもげたにおもしをかけておるわけだ。
かやをこもげたに渡して、一つとびにやる。へしったら、かやをたす。かやは太いなら1本。その繰り返し。
先っぽにひげができているので、はさみで切る。
俵は3枚に折る。
はじをくくり、それをたてて、それに、ねっそといって、細かいのを切ってきる。
ねっそというのは柔らかい木。ねっそをくるくると。ねっそは底は二つつかう。白ねっそとか、くろもじとかで、形をつくり、ロープを十文字にかけ、シバを入れてふたをする。それを立たらかして、炭を入れる。炭がいっぱになる。シバが細かいのを入れて、ねっそは曲がりやすい木を使う。ぺしょっと折れるのはいかん。曲がりやすい柔らかい木を使って。
俵の真ん中には、必ず、芯縄というのが入っている。おしりから真ん中に入っている。それが上に出て、しおりといしばり方でしばる。しおりを2つつくり、その真ん中にまきふをはさむ。検査員が炭の検査にくるので、検査が通ると札をくれる。三番炭とか二番炭とかある。ええ炭は緑じゃったか、色は忘れてきてるけれど、一番赤いのはあかんやつだったけか、まきふというのをつける。それが1俵。
四角いのはどうするかというと、長い炭。30センチぐらいに切って四角する。自分で枠をつくる。下になるところに杭をうつ。俵を広げて枠にいれると切った炭を並べると角炭。3寸というと30センチ。
四角い炭と丸い炭がある。丸い炭というのは品種が落ちる。切れ炭は2寸。
天秤の秤を山にセットしてあるので、目方を図らなければならない。水平になったら、ええぞと。足らな上がらなんで、足らんぞというと刺したらなあかん。12貫ばかり。
かやは個人の茅場。個人のかやばで足らん人は、頼んでよそからもらう。そんな時分は、屋根がかやなの。かやは大事やった。炭俵もかやで編んだ。部落によって、かや場は総かやば、部落中のみんなの茅場ですよというのがあった。それもない所がある。総茅場をもっている人は、うちはだいぶ痛んできたで2、3年あとに葺き替えしたいで、申し出ると。ちょっとまてよ、前の人がいいというまであかんよ。前の人が十分もらったでというと、ほんならお前んのところと。1年分も2年分もとって囲ってあるわけだ。そうせんと、おれの父親は屋根屋さんやってで。3尺はないが、それほどの厚みでふくわけだ。かなりいるわね。
昔は、かやは大事だった。かやの使い道はすごかった。炭焼き窯とか小屋とかだしごやといって、だしごやはなんじゃと言うと、道路のところに、小屋をたてる。山から炭を負んできて、そこに置くとこ。
だしごやも全部かや。屋根だけじゃあらせん。囲いも全部かや、そうじゃよ。かやでふけば、雨は絶対、もれん。
かやは一番大事なの。いまは、かやはどこでもはえるし、誰もつかえへん。昔は大事。いまはじゃまもの。昔はちょっとしたところでもかやばをつくっておった。いまは、木を植えてしまった。かやがいらんようになった。
うちの窯でも、普通のトタンで焼いたら、ぼろぼになってしまう。くさってしまう。いまは、スレートで葺いた。かやは燃える。完全に乾いていて、下から火を焚いているので、燃えないはずがない。
つつらこは、大体普通は桜。中央いくとびくをもってる、あれは小さいつずらこ。
みかん割といって、ああいう風にして割る。俵をあむのは大きい。輪って、修正して、一個一個、穴開けて。とれさえなければいい。
一本の長さはよういわん。
窯冬は1日に一生懸命やって50枚。 朝からご飯食べてはやって、晩方まで。