赤泥こんば(型ということ)
話者 中瀬出身 古老
窯をつくるのに必要な赤泥がないことがある。赤泥は一か所にないから。
赤泥がでるところを赤泥こんばと言う。炭焼きの窯をつくるときに、赤泥がないと、隣の山などに、借りに行く。
借りに行く時は、厳格なもので、羽織はかまに裃で、弓張提灯をつけていく。
「あそこで炭を焼くが、お前さんの山を掘らしてもらっていいじゃろか」と許しを得て、言葉をちゃんとかけた。頼みごとをちゃんとする。
夕飯がすんだ時分に頼みに行く。「どうしてもあかん、頼む」と。
若僧がいってもたわけにされるだけ。
型があって、厳格さがあって、秩序が保たれていた。
2023 12月