たつかぶちというのがこのお宮さんに一つある。雨乞いに使った。日照りで、雨をもらうために雨乞いをかけた。禰宜さんがたつかぶちを七反のさらしで包んで、天気の良い日に傘さして、禰宜さんがだかまいていた。雨乞いの行事の時だけ。
たつかぶちの替わりに流すのをししかぶちをお宮さんの下の川でひもつけては流してはひっぱって。流す間に太鼓踊りでね。雨乞いかけるやで夏じゃと思う。
たつかぶちは見れん。禰宜さんのときに、たつかぶちはガラス箱に入っていて。ナフタリンとか入れてある。どんな彫刻じゃかもわからんな。かぶちのおさまっているお宮さんは、お宮さんと種本のお宮さんには2箇所しかない。
種本にも、あるわいのと。種本のお宮さんでは本社のなかの神さんを氏子に拝ませる。たつかぶちだけは見せん。
川村 源一さん