小宮神の茅場だけ 藤原 正身さん
各部落に茅場があった。茅場は村で守している。
この村の昔の人間は阿保だったらしい。大垣の殿さんが武家政治がないようになったときに春日を守っていた分を部落で分けた。
昔はどうも小宮神という部落には知恵者がおらなんだな。川合が一番、その次、香六、その次中山。小宮神は一番、びりやった。小宮神はちょぼっとしかもらえんかった。川合が7分、香六が6分、中山4分、小宮神が3分。
土地がちょぼっとしかあらへんで、ええとこに茅場をつくるのはおしいで、遠い遠いところに茅場をつくった。オオドっていう槍が先の下じゃ。いまでも、部落有で、植林してあるな。いまも、小宮神の山。川合は初若。トッタニという谷。二軒ばかり家がある。その奥にある。どいかいな茅場だった。
だから、小宮神あたりでは屋根を葺くふく思っても茅場が小さいで、一軒の茅では屋根を葺くだけあらせんで、交代で区に申し込むんじゃ。村中行って手伝って、3年だけかかって一軒の茅をつくって、屋根を葺き替えた。
藤原正身さん