禿山 道に迷う
小学生のころだか、禿山から猟師が骨を拾ってきたのを見た。行方不明になった人で、着物かなんか知らんが、破れた着物を広げて見せた人があった。山に迷ったんじゃないやろか禿山で。中山の墓地、杉木の下に埋めた。
道に迷わないように、中山では道分地蔵を要所に置いた。桂谷の鉱山道路の終点に一体。露天掘りへと続く集落の終点に一体。これらは山道と恋折峠を教えている。天理教のところには、古屋へ行く道を押している。恋折峠にもお地蔵さんがある。
その地蔵を頼って旅した人がおるわけで。俺ら子供のころは花があるとちぎって、地蔵さんに備えた。なんでもかんでも、供えておけと。
四井 国正さん
(21・1)