石切り場の楔のあと 大刈りして持って行った。加工は神社で。 種本六社神社の鳥居をつくる ② 古老 貴重なお話をありがとうございます。 石切場は、松田の奥。大刈りしたものを持って行った。くさびが切り出した時の跡だ。 こんな道はあらへん。山道だから。 人海戦術。人ばっかで曳いた。紙ぼんてんがあるだろ。あれで、 「えよいとこそうりゃ。どっこいそうりゃ。よいとこそうりゃ、どっこいそうりゃ」 真っ直ぐになって行きだすと、 「よいしょ、よいしょ、よいしょ、よいしょ、だめー」 と、紙ぼんてんを振る。ざい振りというのは指揮者だでね。 指揮者は、背の高い石の上に、登って。登って振るのは怖いが、振ったと祖父は自慢していた。 市場の人と、木出しをした時に、「よいとこしょ、よいとこしょ」。これではあわないんだ。 「よいとこしょーら、どっこいしょーら。うちの、おなごしゃ、どっこいしゃーら。洗濯ずきじゃ、どっこいしょーら。」 えっちな歌を歌うと勢い出す。体を温める。体が燃えてくるような雰囲気にするとケガをしない。心の中まで、エロばなしをして、温めて、仕事にかかったと。先輩衆が言った。 石は450メートルを進む。道などない。雑木の中の山道を進。雑木に縄をまきつけて、ブレーキをかけたので、ここらへんの雑木はみんなはげてしまった。1日、1日、進む。 2本で曳くがお客さんはひきええ方に。縄じゃと。 種本の氏子だけでは足りないで、寺本、白子、全部、来て手伝った。